部屋

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 二階の部屋で子供たちが膝を抱えて座り、いろいろな話をしていた。中学受験の話になった。一人の男の子が退屈して、一階へ通じる階段の方を見た。彼は外へ出たかった。外へ出るには、一階へ降りるしかなかった。一階へ降りるには、その階段を使うしかなかった。彼は四つんばいになり、そっと階段までいった。階下を覗いた。ぬっと黒い影が見えた。振り向くと、皆彼の方をじっと見ていた。彼は目を伏せた。 「 私も私立中学へいきたいけど」女の子はいった。「うちは貧乏だから、お金を借りなくてはならないんだって」  部屋にははめ殺しの白い窓があった。窓から外を見ることはできなかった。彼らの最大の関心事は、この部屋から脱出することだった。
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