序章

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04 逃避 「いま、アーデリア王国には未曾有の危機が迫っている。  それを解決するために、おまえの力が必要なんだ」  草原のまんなかでエリオは馬をとめた。  まっすぐに美桜を見つめる。 「ミオ、おまえはアーデリア王国の聖女だ」  美桜は戸惑った。 「わたしが、聖女?  聖女ってなんですか?」  エリオは説明を始める。 「聖女とは、アーデリア王国を救う力を持った選ばれた者のこと。  伝承によれば、危機が迫るとき、聖女が現れ、王国を救うとされているんだ。  だから、おまえの力でアーデリアを救ってほしい」  よくわからなくて、美桜は不安になる。 「わたしにできることがあるのなら、協力しますけど……。  でも、なんの力も持ってないですよ?  魔法なんて使えないし」  エリオは彼女にほほ笑んだ。 「おまえには力がある。  俺が導くから、その力を貸してほしい」
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