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自信に満ちた言葉だった。
彼のブルーの瞳に真摯さを感じる。
「わかりました。
エリオさんがそう言ってくれるなら、ご協力します。
だってエリオさんは命の恩人ですから」
美桜の笑顔を見て、エリオは表情を曇らせる。
「そのことなんだが……、俺はおまえに礼を言われるような人間ではないんだ」
エリオは憂いを帯びた表情で美桜を見つめた。
「おまえをこの王国に呼び出したのは、俺だ。
この国の危機のために、魔法を使っておまえを召喚した。
だからおまえの危機は、俺が起こしたと言っても過言ではない」
美桜はエリオの告白に唖然とした。
「エリオさんって、正直な人ですね。
正直すぎるというか……」
エリオは苦笑いを浮かべる。
「そうかもしれない。
だが、おまえと共にこの国を救うために、正直であることが大事だと思っている。
おまえに隠しごとはしたくないんだ」
本当に素直な人だ。
美桜はエリオの言葉をしっかりと受けとめた。
彼に誠実な表情を見せる。
「エリオさんのお気持ちはわかりました。
それに、エリオさんがわたしの命を助けてくれたのは事実です。
だから感謝の気持ちは変わりません」
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