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王城の門にさしかかると、門衛たちが整列して立ち並び、エリオと美桜を厳かな態度で迎えた。
彼らは鎧を身に纏い、アーデリアの国旗を象った盾と、煌びやかな紋章が施された槍を持っていた。
門衛たちのリーダー格らしき男性が一歩前に出て、エリオに敬意を表するため深々と頭を下げた。
「エリオさま、無事にお戻りになりましたこと、心からお喜び申し上げます」
エリオは馬上から彼にうなずきを返す。
「この娘はミオ。
彼女は我がアーデリア王国にとって非常に重要な存在だ。
丁重にもてなせ」
門衛たちは、エリオの言葉に畏怖の念を見せつつ、美桜に対しても敬意を表した。
美桜は戸惑いながら頭を下げ、礼を返す。
門が開かれ、エリオと美桜は、門衛たちに見送られながら、
王城のなかへと馬を進めた。
いく人かの兵士たちが、同じく馬で付き従う。
城門をくぐると、まず目に入るのは広大な中庭で、そこには綺麗に手入れされた花壇や噴水があり、色の花が咲き誇っていた。
庭の先にある美しい城は、白亜の石で建てられ、高い塔や壁が空に向かって伸びていた。
陽光がその白い壁に反射し、まるで光り輝くように見える。
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