第一章 王族

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 美桜はエリオに向かって、目を輝かせながら話しかけた。 「エリオさん、この城は本当に綺麗ですね。  こんな素敵な場所に住んでいるなんて、おとぎ話のようです」  エリオは満足そうに答える。 「ありがとう、ミオ。  この城はアーデリア王国の象徴でもある。  おまえが感動してくれると、俺たちも嬉しいよ」  城のなかは、高い天井と豪華なシャンデリアがあり、美しいステンドグラスが窓にはめ込まれていた。  光が差し込むと、部屋中にカラフルな光の粒が舞い、幻想的な雰囲気を漂わせる。  壁にはいくつも肖像画が並んでおり、王国の栄光が感じられた。 「ミオ。  ここでアーデリアの国王、ウィリアム陛下にお目にかかることになる。  彼は俺の兄であり、この国を支配している人物だ。  彼も、聖女としてのおまえの力を期待しているだろう。  できるだけ落ち着いて対応してほしい」  美桜はうなずき、緊張しながらもなんとか乗り切ろうと思った。
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