第一章 王族

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「ミオ、おまえは私の王国を助けてくれるか?  であれば、その美しい心に感謝し、アーデリア国民のために力を貸してくれることを願おう」  彼はゆっくりと立ち上がり、ミオの前まで来た。  近くで見ると、ウィリアムはエリオとよく似ている。 「私はアーデリア王国の国王、ウィリアムだ。  そしてエリオは私の弟であり、彼とともにおまえを迎え入れるときを待ち望んでいた」  美桜はカチコチになりながらもうなずく。 「はい、エリオさんからお話は聞いています。  でも、わたしで本当に大丈夫なのでしょうか?  なんの力も、ないですけれど……」  美桜の懸念に対し、ウィリアムは優しく答えた。 「おまえが力を持っていないというのは誤りだ。  聖女として、おまえは我が国の危機を救う力を持っている。  私たちが力の発現を手伝おう。  だから安心しなさい」  美桜はウィリアムの威厳や優しさに心を打たれ、彼が真に国王であることを実感した。  彼の言葉は力強く、そして包み込むような優しさがあり、美桜はこれまでに感じたことのない安心感を覚える。
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