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「ミオ、おまえは私の王国を助けてくれるか?
であれば、その美しい心に感謝し、アーデリア国民のために力を貸してくれることを願おう」
彼はゆっくりと立ち上がり、ミオの前まで来た。
近くで見ると、ウィリアムはエリオとよく似ている。
「私はアーデリア王国の国王、ウィリアムだ。
そしてエリオは私の弟であり、彼とともにおまえを迎え入れるときを待ち望んでいた」
美桜はカチコチになりながらもうなずく。
「はい、エリオさんからお話は聞いています。
でも、わたしで本当に大丈夫なのでしょうか?
なんの力も、ないですけれど……」
美桜の懸念に対し、ウィリアムは優しく答えた。
「おまえが力を持っていないというのは誤りだ。
聖女として、おまえは我が国の危機を救う力を持っている。
私たちが力の発現を手伝おう。
だから安心しなさい」
美桜はウィリアムの威厳や優しさに心を打たれ、彼が真に国王であることを実感した。
彼の言葉は力強く、そして包み込むような優しさがあり、美桜はこれまでに感じたことのない安心感を覚える。
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