第一章 王族

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「大丈夫ですよ、ミオさま。もうすぐ終わりますから。  エリオさま、もう少々お待ちくださいませ」  クレアの落ち着いた対応に、美桜は安心した。  エリオは笑いながら応じる。 「わかった、急かすつもりはない。  終わったら声をかけてくれ。  それまで廊下で待っている」  エリオの声が遠ざかるのを聞いて、美桜はあらためてクレアに感謝の気持ちを伝えた。 「ありがとうございます、クレアさん。  わたし、焦ってしまって。  それに、ドレスを着るのも手伝っていただいて……」 「いいえ、お気になさらず。  それが私たちの仕事ですから」  クレアは穏やかに答えた。 「ミオさまは初めての王城生活で緊張しているでしょうから、私たちもできる限りサポートします。  どうか、遠慮なくお申しつけくださいね」  美桜はクレアの言葉に安心し、自分がこの王城で守られていることを感じた。  やがて着替えが終わり、美桜の前に姿見が置かれる。  そこに映った自分の姿に、美桜は驚いた。  可憐なドレスが美桜の細身の体型を際立たせ、肩から流れる黒髪が繊細な雰囲気を引き立てる。
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