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「大丈夫ですよ、ミオさま。もうすぐ終わりますから。
エリオさま、もう少々お待ちくださいませ」
クレアの落ち着いた対応に、美桜は安心した。
エリオは笑いながら応じる。
「わかった、急かすつもりはない。
終わったら声をかけてくれ。
それまで廊下で待っている」
エリオの声が遠ざかるのを聞いて、美桜はあらためてクレアに感謝の気持ちを伝えた。
「ありがとうございます、クレアさん。
わたし、焦ってしまって。
それに、ドレスを着るのも手伝っていただいて……」
「いいえ、お気になさらず。
それが私たちの仕事ですから」
クレアは穏やかに答えた。
「ミオさまは初めての王城生活で緊張しているでしょうから、私たちもできる限りサポートします。
どうか、遠慮なくお申しつけくださいね」
美桜はクレアの言葉に安心し、自分がこの王城で守られていることを感じた。
やがて着替えが終わり、美桜の前に姿見が置かれる。
そこに映った自分の姿に、美桜は驚いた。
可憐なドレスが美桜の細身の体型を際立たせ、肩から流れる黒髪が繊細な雰囲気を引き立てる。
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