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美桜は彼についていき、森の不思議な風景に目を奪われる。
周りには、現実世界では見たことのない美しい花々や、鳴き声が聞こえる未知の鳥たちがいた。
「ここはどこなんですか?」
景色に見とれながら、美桜は尋ねた。
「ここはアーデリア王国という国だ」
聞き慣れない国名だ。
「アーデリア王国って、聞いたことがないんです。
こんなところに来ちゃって、どうしよう……」
美桜は不安なつぶやきを落とした。
青年は彼女を励ますように言う。
「大丈夫だ。
おまえが元の国に戻る方法はある。
それまでのあいだはアーデリア王国で過ごすことになるだろうが、俺が守るから心配するな」
美桜は青年の言葉に勇気をもらい、彼に感謝の気持ちを伝えた。
「ありがとうございます。
少し安心しました」
そして、さっきから気になっていたことを聞く。
彼が狼を倒した方法だ。
あの炎の塊はなんだったのだろう。
「あの炎の塊は、俺が使った魔法だ。
俺はアーデリア王国の魔法使いで、様々な魔法を使うことができる。
さっきの狼は危険だった。
炎の魔法で倒すしかなかったんだ」
青年はゆっくり説明する。
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