序章

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 美桜は、自分が夢を見ているのではないかと思いつつ、重ねて質問した。 「魔法って、どうやって使うんですか?」  彼はほほ笑みながら答える。 「生まれながらに持っている魔力を使って行う。  俺たちの世界では、魔法使いは特別な存在で、魔力を操ることができるんだ。  俺は幸運にも魔力を持っていて、王国のためにその力を使っている」  美桜は不思議な思いで彼を見つめた。 「すごいですね。  わたしの身近には魔法なんてないので、こんなことができるなんて信じられません」 「いや、おまえのほうがすごい」  青年は美桜に感心したような表情を向ける。 「見知らぬ世界に突然放り込まれても、こうして冷静に俺と話をしている。  だから、おまえのほうがすごいよ」  美桜は照れくさくなって笑った。 「そんなことないです。  あなたが助けてくれたおかげで、安心できたんですよ」  彼は優しい表情になる。 「ところで、おまえの名をまだ聞いていないんだが」 「あ、ごめんなさい。  名前を言っていませんでしたね。  わたしの名前は美桜です。  木村(きむら)美桜」  青年はうなずいた。 「ミオか、いい名だ。  俺はエリオ。  エリオ・ハーヴィングという」
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