神前式

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神前式

「ですが、ここからもまだ困難は続きます。峻険(しゅんけん)な星々が行く手を何度も遮ることでしょう。  なぜならば我が父はいまだ、あなた様を──」 「とうぜん承知の上だ」  約束した。  それは呪縛から逃れるための約束の日だった。  そう。これは巡礼なのだ。  自由を得るための胎内巡り。  二人で歩んだ道を──今度は三人で。 「俺たちに宿世(すくせ)(えにし)ある限り」 「わたしたちの道は必ず交わります」  我が妻は笑う。  厳かに執り行われる式の最中であるかのように。  この参道を巡り、もう一度会えるならば──!  やってやろうじゃあないか、と不敵な笑みが浮かんでくる。  俺は再び息を止め、叩くように操縦桿を倒した。
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