従兄弟の背中
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一年ぶりに戻った実家の応接室の前で僕は気配を消しつつ中の様子を窺う。 防音設備が施してあるから扉が閉まっていれば室内の声が漏れる事はまずない。 だから、扉を少し開けたまま入室したのだろう。 母さんと従兄弟の
疾風
(
はやて
)
が珍しく言い争っている声が聞こえた。 僕は少し高ぶる気持ちを抑える為にふぅと一つ息を吐いた。
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