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出会い
まるで年下の彼氏と一緒にいるような時間を彼と過ごしてきた。
彼との出会いは、仕事帰りの近所のスーパーの駐車場だった。
母猫に置いていかれたみたいで、必死で母猫を求めるように、駐車場の隅っこで怯え足を震わせて鳴いていた。
そんな彼を私は放っておくことができなかった。
「うちに来る?」
これ以上濡れないようにと私は傘の中に彼を入れた。
これが、私達の出会いだった。
私の退屈な一人暮らしは、彼と一緒にいるようになって、充実感に満ちあふれていった。
帰ったら、ワンルームマンションの玄関にちょこんと座って待っていてくれる。
「だだいま〜。」
"にゃー"おかえり"
この彼の名前は、茶トラ猫の虹くんなのだ。
友達には彼氏ができて、周りは恋愛に盛り上がっているときに、私は猫の虹くんとの穏やかな生活に浸っていた。
そんな猫彼に夢中な私は橋立夏音22歳。
そして、ここは穏やかなドドド田舎島。
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