MY FAVE‼︎

　重低音の曲が流れ、ステージ上にあるスクリーンに5人の後ろ姿が映し出された。
「きゃー‼︎」
　私たちだけじゃなく、会場のあちこちから歓声があがった。
　周りを見渡すと、私たちがいるステージのフロアは結構後ろの方まで人がいた。
　1階から3階までは割と歳の高めの人が多く、たまたま通りかかって覗いてみた…という感じ。

　脇から5人が手を振りながらステージに上がると、より一層の歓声。今まで画面越しだった惺がすぐ近くにいる感動で、私も夢中で惺を呼んだ。

　惺が私に指を指して手を振ってくれた。
「嘘…今絶対私に手振ってくれたー」
「リストバンド見えたんじゃない⁈ヤバ」
　里紗も興奮していた。