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線路沿い
お散歩コースは決まっている。
ノゾムは電車が大好きな男の子なのだ。
少し歩いた先に、線路があり、その近くに歩道が続いている。
電車は決まった時間にやってくる。だからお散歩時間も統一されているのだ。
遮断機がおり、一定のリズムで踏切警告音がなると、ノゾムは電車が来る方向ではなく、電車が走り去る方向へと体を向ける。
所謂、よーいどん、の、よーい、の格好で電車を待っていた。
この時ばかりは、母親も子どもの運動タイムなので繋いでいた手を離している。
手を離して、いざ走っても、あっという間に電車はノゾムを抜き去ってしまい、追いかけられなかったノゾムは、やってやったと満足気に自ら戻ってくるのが常だからだ。
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