見直し

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見直し

落選したら、必ず自分の作品の見直しをして下さい。悔しいと思いますが、受賞作は読んで下さい。この事が出来てる人はすぐ賞を取れると思います。私は全くしませんでした。いじけて、泣いて終わってました。 昔の自分を見ると、要領が悪くて、バカだなと思います。自信だけはあって、本当、お恥ずかしい限りです。 さて、どうやって見直しをするの? という質問になると思いますが、まず受賞作の選評を読みます。すると、そこで応募した作品が全くその賞に求められていたものと違ったという事がわかったりします。 賞を開催する側にはこういう作品が欲しいという意図が必ずあります。その意図に沿っている物は受賞する確率が高いという事です。では、意図とは何か? 賞を開催する出版社の読者層を知る事です。過去の受賞作を読んでみて下さい。例えば、食べ物系の小説がよく出版されている所なら、食べ物系で新しい視点が入っている物が求められているという事です。 これが応募する賞のカラーに合わせるって事なんですね。まず自作がカラーに合ってるかな?というチェックをしてみて下さい。 実は賞を頂いた「石上君の恋」は応募を迷いました。女性向けのコミカライズの賞だったので、主人公は女性でなければダメだと思っていました。でも、よく見ると「不倫」の要素が含まれている作品歓迎とあったのです。「石上君の恋」はガッチリ不倫の話だったので、おっ、いけるんじゃないと思って応募いたしました。求められている内容の作品は受賞しやすい傾向にあるという事を実感いたしました。 応募する時に募集要項は必ず読んで下さい。何が求められているのか? これを知る所から始まると思います。 これ、わかってても私はまだちゃんと出来てません。頭ではわかっているんですけどね。テーマに合わせて書く事が苦手なので。これが完璧に出来る人はもう商業作家としてデビューしているんじゃないでしょうか。 あとはキャラクターが書けているか見直しをして下さい。キャラクターの目的と行動にちゃんと説得力(納得感みたいなもの)があるかという事は大事です。 急な展開・唐突な展開はそのままでは読者を置きざりにしているのでダメですが、その展開になる納得感があれば読者はついてきてくれます。 例えば桃太郎が鬼ヶ島に向かい、いよいよ鬼と対決という場面で、おじいさんとおばあさんが現れ、ためらわず二人を殺して、めでたしめでたし――。 となったら、えー!なんでー!ってなりますよね。 でも実は、鬼がおじいさんとおばあさんに変装して桃太郎を殺そうと待ち構えていた事を、桃太郎は偵察に行っていたキジから聞いていた、という説明があれば納得感がでてくる思います。納得感があると、唐突な展開は物語の「面白み」になります。 要は、キャラの行動する事に理屈が通っているかという事です。チェックしてみて下さい。 受賞作を読めば上記に書いた事以外にも気づきますので、ご自分で研究してみて下さい。
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