おまけ その2-1  ハシビロコウがたいせつ・前

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 気持ちに明確な変化があったのは、二回目のデートの日だ。俺は財布を忘れた。デートでこんなひどいミスをしたのは初めてで、自分でもびっくりした。  確かに仕事が立て込んでいて、ちょっと疲れていたことは否めない。  でも、もしかすると無意識に愛佳ちゃんを軽んじていたのかもしれないと今は思っていて、ひそかに心を痛めている。気合いの入った相手なら、たぶんもっと慎重に行動するから。  愛佳ちゃんは俺を気遣って、さらりとデートプランを変えてくれた。全然不快そうな顔なんかせずに。女の子にそんな気遣いをされたことがなくて、しかも愛佳ちゃんはむしろ楽しんでくれていて。デートって、男が気を遣うものだと思っていたから、なんだか新鮮だった。散歩をのんびり楽しんでいる表情に、なんだかすごく和んだ。  何の疑問もなく帰ろうとしていた愛佳ちゃんを、俺の家に連れ込んだ。「そもそもの目的は、この後じゃなかったっけ?」なんて言ったけど、本当は、俺が彼女としたくなってた。愛佳ちゃんが持ちかけてきた稚拙なプランに乗った振りで、自分の欲望を解消する。俺は本当に下劣な男だと思う。でも、異性愛者の男なら、程度の差はあれ、女性と都合よくヤリたい気持ちは持っているものだろう、とやっぱり自分の気持ちをごまかした。  ご希望の無理矢理っぽいプレイは、ドMの愛佳ちゃんらしいと思ったし、やってみたら気持ちよかったけど、なんだかしっくりこなかった。いや、確かに、すごく気持ちよかったけど、身体は、すごく。
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