神々の森へ

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翌日は、川を渡って、その先の森を進む。 森は、進むほどに、大きな木が多くなり、鬱蒼とした暗さになる。 さらに進むと、何千年も経っている巨木達が、空にそびえて 足元は、苔生していると言う、神々と言う名にふさわしい森になった。 そこで一泊し、さらに進むと、地図通り ぽっかりと口を開けている、大きな洞窟の前に着いた。 「ここだな」「ここに、伝説の石が有るんだ」 「だけど、魔獣が番をしているんだよね」皆は、武者震いする。 蝋燭を手に、暗い洞窟を進むが、何も無く、魔獣の姿も無い。 「もう、魔獣は居ないんじゃない?」と、言っていると 「ここで突き当りだが、下に降りる階段が有る」と、蝋燭を翳して黒が言う。 その階段を、降り切って少し進むと、一気に皆に緊張が走る。 物凄く、強い魔獣の気配が、漂って来たのだ。 「皆、油断するな」皆は、ごくりと唾を飲み込み、武器に手を掛けながら進む 行く手に、洞窟の中とは、思えぬほどの明るさの、広い場所が有った。 「何だ?ここ?」と、キョロキョロしている皆の前に 天井から、バサッと降りて来た、大きな羽を持ち、ドラゴンの様な身体の 真っ赤な魔獣が、ぎろりと大きな目で、皆を睨みまわした。 「防御力強化っ」直ぐに、緋芽が、皆に魔法を掛け ひゅんっと、緑が弓を放ち、ドーンと白が、銃を撃つ。 だが、魔獣には、全く効いていない、魔獣は、ブワっと、口から炎を吐いた。 「洪水っ」すかさず、緋芽が、水の魔法で打ち消す。 その隙に「やぁ~っ」と、黒と、銀と、金が攻撃したが 魔獣の、硬い鎧の様な身体には、あまりダメージは、与えられ無かった。 魔獣が、バサッと羽ばたく、その強烈な風で、皆は、後ろに吹き飛ばされた。 「くそっ」と、立ち上がる皆に、緋芽が、回復魔法を掛け 続けて、攻撃力強化の魔法も掛ける。 「雷神っ」青樹が、最も強い雷の魔法を掛ける。 「グガァ~ッ」魔獣は、雷に打たれ、バチバチという青白い火花の中で 苦しんだが、直ぐに立ち直って、洞窟の端から端まで 炎を吐き、青樹たち、全員を焼き殺そうとした。 「豪雨っ」緋芽の、雨の魔法で、皆の身体は、焼ける一歩手前で助かる。 攻撃しようと、前に飛び出した皆に、魔獣は、まるで四股でも踏むかの様に ドンッと足踏みをした、地面が浮き上がり、青樹たちの身体は宙に浮き どさっと倒れて、攻撃するどころか、ダメージを負う。 「大回復っ」直ぐに、緋芽が回復魔法を使う。 立て続けに、強い魔法を使ったので、そこで、緋芽の魔力はゼロになった。 大急ぎで、魔力の元を飲む。 青樹は、もう一度「雷神っ」と、雷魔法を掛けた。 ド~ンっという、大きな音と共に、雷に打たれた魔獣は 大きなダメージが有った筈なのに、倒れなかった。 雷に打たれた跡が、焼け焦げて、プスプスと音を立てているのに 全く構わずに、大きく羽ばたいて、皆を吹き飛ばしたり 足踏みをして転ばせたり、火を吐いて焼こうとする。
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