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「やった~っ」と、言ったものの、全員その場に、へたり込む。
「大回復っ」緋芽が、残っている魔力を、全て使って、全員を回復させる。
「これじゃ、しばらく休まないと、森へは行けないな」
皆は、バナナを食べ、水も飲んで、1時間休憩した。
「よし、もう大丈夫だ、行くぞ」「お~~っ」
皆は、荷物を担いで、森へ分け入る。
生い茂る草、土の表面まで出ている木の根、垂れさがっている蔓植物
小さいが、毒を持っている、蟻や蜂、蛭や毒蜘蛛、毒蜥蜴や、毒蛇等々
それらが、皆の行く手を阻む。
青樹は、時々高い木に登って、進む方向を見失わない様にと、気を付ける。
二時間近くかかって、建物の前に着いた。
石造りの、大きな建物だが、外壁は、全て蔦で覆われていて
入り口を見つけるのにも、苦労する。
「これじゃ、誰も住んでいないよね」と、言いながら入り口を探す。
「有った、ここだよ」蔦を分けた先で見つけた、入り口には、落とし込みの
鍵がかかっていたが、棒を落とし込んでいるだけなので
黒が身軽に飛び上がって、落とし込んでいる棒を引き抜いた。
「よし、これで開く筈だ」緑が、うんと力を込めて、扉を開ける。
ギギギィ~~鈍い音と共に、扉が開いた。
「わぁ~中は、思っているより立派だな」「うん、意外に奇麗だし」
建物の中は、立派だったが、埃が溜まっていて、何もかも、古いと感じる。
部屋が、沢山有りそうなので、荷物を置いて、見て回る事にした。
何が居るか分からないので、皆で、一緒に捜索する。
「ここは?」「あ、厨房だよ」「本当だ、竈や鍋が有る」
「ここは?」「浴室とトイレだな」「ここには、ベットが10台も有る」
「ここ、10人が、一緒に寝る寝室?」「あ、武器庫だ」
色々な武器が、きちんと並べられていたが
その材質は、黒が教授に作って貰った、合成のミスリルと、同じ物だった。
「な~んだ、合成ミスリルか~もっと良い物が有れば良かったのに」
黒は、不服そうな顔で言う。
「あ、これは、何だろう?」白が、手に持った物を見て、青樹が
「それは、銃と言う物だよ、弓より、威力は強い筈だけど、弾が要るんだ」
「弾って、これじゃ無い?」と、緋芽が、鍵の付いた小さな箱を指さす。
「そんな感じだけど、鍵は何処かな~」皆で、きょろきょろし
「あ、あれじゃ無いか?」銀が、棚の上に有る、小皿を指さす。
その小皿の中には、確かに、小さな鍵が有り、その鍵で、小箱を開けられた。
「思っていた通りだな」箱の中には、弾丸が、びっしり入っていた。
「随分、古いようだから、使えるかどうか、分からないな~」
青樹は、銃の傍に弾を置きながら言う。
一階部分は、全て見て回り、二階へ上がって見る。
二階には、大きなテーブルが、ド~ンとある、広い部屋が有った。
「ここ、会議室みたいだ」「きっとそうだろうな」「あ、なにか有るぞ」
そのテーブルの上には、埃を被った、一冊の、薄っぺらなノートが有り
「よく辿り着いた、ここは、たどり着いた者の、家である」と、書かれていた
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