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やがて、木や草が有るのは、川の両岸だけで、あとは砂山と言う景色になる
馬に食べさせる草は、何とか賄えたが、緑と白が食べる、柔草の量は減った。
緑は、川に潜って魚を獲り、自分はそれを食べて、柔草は、白に食べさせる。
「緑、済まない」「な~に、俺は魚も食えるが
白は、草しか食べられないからな」緑は、優しくそう言って
魚を食べた後に、柔草を、少しだけ食べる。
金銀黒の三匹も、食糧の獲物が減って、狩りに苦労していた。
そんな日「ピーピーったら、どこへ行ったのかしら」と、緋芽が探していると
「あっ、帰って来たよ」と、白が指さす空に、ピーピーが、白い物を掴んで
帰って来た「羊だっ」「ピーピー、食料を獲りに行ってたのか」
ピーピーが、どこかから獲って来た羊は
久しぶりのご馳走になり、皆を喜ばせた。
何も無い様な、砂丘にも、魔獣は居た、巨大なホースの様な、ワームが
六匹も固まった、まるでヤマタノオロチみたいな魔獣が、襲い掛かって来る。
その魔獣は、切っても切っても、新しい首が生えてくるという
面倒な奴だった、そして、毒を吐いて来る。
六つの首から吐き出される毒は、四方八方に広がり、皆に掛かる。
緋芽は、皆に、解毒の魔法を掛け、回復の魔法も掛ける。
緋芽の魔力は、どんどん減る「緋芽、もう、魔力の元を飲めっ」
気が付いた青樹が、声を掛ける。
魔力の元を飲んで、魔力がマックスに戻った緋芽は「大火炎っ」と
魔獣に、炎の魔法を掛けた、六つのうちの三つが、焼けて消える。
「今だっ」青樹を始め、皆が、一斉に、残っている三つに攻撃する。
「ウガァ~ッ」声だけ残して、魔獣は、跡形も無く消えて行った。
「緋芽、レベルが上がったから、魔法の威力も上がって来たな」
青樹が、嬉しそうに言う。
「うん、さっき使ったから、また魔力の元を作って、補充しないと」
緋芽は、材料を取り出して、せっせと、魔力の元を作り始めた。
「ふわぁ~やれやれ、折角寝ていたのに」「動き回ったから、暑いな~」
皆は、熱くなった体を、川に入って冷やし、木陰で、昼寝の続きをする。
暑いので、移動は早朝と、夕方にして、暑い日中は、休む事にしていた。
「しかし、この砂丘、何時になったら越えられるのかな~」
途中で、魔獣との戦いが有るので、なかなか進まない所為も有るが
もう、四日も歩いていた。
翌日、早朝から姿を見せないピーピーを心配しながら、先へと進み。
暑くなって来たので「今日は、ここで休もう」と、荷物を降ろしていると
ピーピーが、何かを掴んで帰って来た。
「魚?」「でっかいな~」「これは、鮪だな」と、青樹が言う「食えるの?」
「ああ、旨い魚らしい」「やった、早速捌こうぜ」「ピーピー有難う」
皆は、ワイワイと、川岸で鮪を捌き始めた。
その鮪は、今まで食べた魚の中でも、特に美味しかった。
白だけは、食べなかったが、全員、夢中で食べ、綺麗に食べてしまう。
「こんな旨い魚も有るんだな~」と、言う皆に
「皆、喜べ、これで海は近いという事が分かったぞ」と、青樹が言う。
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