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ハナが言う、人間になる方法とは、私のDNAを与える事だった。
最初は、それってもしかして血液……と思いゾッとしたけど、
他の物でもいいらしい。
私はハナの言う通り、鏡の前で髪を少し切り、
それを集めて植木鉢の土の上に撒いた。
これで、明日の朝にはハナは人間になっている……らしい。
「明日が楽しみね、好子」
ハナは上機嫌だった。
私は、本当にこれで良かったのだろうかと、ドキドキしてきた。
でも、私は今ではハナを妹のように思っているし、
ハナもきっと私を好いてくれていると思う。
私も、明日を楽しみに寝よう!
おやすみなさい!
翌朝。
今日は休みだから、ゆっくり寝ていられる……。
と、思ったけど、なんだかいい匂いがする……?
香ばしいトースト、それにコーヒーの香り。
そうだ、ハナは!?
勢いよく起きると、植木鉢にハナはおらず、
キッチンの方で気配がした。
「…………ハナ?」
おそるおそる、声をかけた。
「おはよう、好子!」
ハナが、エプロンをして人間の足でキッチンに立っている。
そして、朝ごはんを作っている。
「ハナ…………!!」
なんだか感動して、私はハナに抱きついた。
「いろいろ話したい事もあるけど、
まずは朝ごはんできてるから、一緒に食べよう!」
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