caseB 草木好子 ハナ編

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 仕方ない、育てよう!!  私は、腹を括った。  その後さらに数日間、普段通りに育てた結果……。  ……………………。  絶句するしかなかった。  ……………………大きい。  ……………………むしろ等身大……………………。 「いやもうなんなのこれーーーー!?!?!?!?」  植木鉢からは、脛のあたりから等身大の“私”が生えていた。    育てておいてなんだけどさ、  夜中に目覚ましてこんなのいたら怖いでしょ!?  でももう今更だし、今更だし、今更だし!!  過去の自分をぶん殴りたい…………(泣)  顔立ち、髪型、服装はもちろんのこと、体型や肌の質まで  そっくり……いや、そっくりなんてレベルではなかった。  どう見ても、“私”そのもの。  そっと手に触れてみると、体温(と言っていいのだろうか)は、  やや低い気がする。 『植物にはリラックス効果があるの』なんて言われたけど、  リラックスどころか心労が増えたわ……。  悔やんでいると、目の前の私? は、  いつの間にか目を開けていた。 「あ〜、やっと喋れるわ〜」 「しゃしゃしゃ、喋ったーーーー!!!!」 「もう、ご主人様はうるさいわね。  人型植物なんだから、開花したら喋るのは当たり前でしょ?」 「当たり前なの!? 常識なの!? 私が知らないだけなの!?」  聞いた事ないよ、そんな常識!!  というか、声までそっくりなんて…………  これってまさか。  ドッペルゲンガー!?!?
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