4.微かな疑念

2/3
前へ
/20ページ
次へ
……ほんと、喜多嶋さんてなにもかもが綺麗だよな。 美雨に見とれつつ恭平は声をかける。 「喜多嶋さん、頼むもの決まった?」 「うん」 すかさず、恭平は手を上げる。 「お待たせいたしました。ご注文をどうぞ」 恭平は無言で美雨に目配せして、先に注文するよう促す。 「デザートセット、サバランとホットの紅茶、ストレートでお願いします」 「デザートセット、プリンとアイスコーヒーで」 「デザートセットおふたつ、サバランとホットティーのストレート、なめらかプリンとアイスコーヒーでお間違いないでしょうか?」 「はい」 「かしこまりました」 店員が去っていくと、美雨はふふっ、と楽しげに笑った。 「坂口くん、またなめらかプリンにしたの?」 「あ……いや、初めて食べた時すごく旨かったから」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加