4.微かな疑念

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「もしかして坂口くんて、一度はまると一定期間ずうっと食べ続けるタイプ?」 「あはは、実はそう」 こんなに親密な雰囲気になったことなんて、高校の時には一度もなかった。 もしかして、ちょっとは期待していいんだろうか。 俺の好意が彼女に届くかも知れないって。 「ホイップクリーム苦手なのもだけど、ほんと変わらないね」 その何気ない一言に、恭平はかすかな違和感を覚えた。 なんで、俺がホイップクリーム苦手だってこと、彼女が知っているんだろう? 「お待たせいたしました」 プリンに手をつけない恭平を見て、美雨は眉根を寄せる。 「坂口くん、食べないの?」 恭平はぎくしゃくしながら笑顔を作る。 「あ……うん、食べるよ。食べよう」 胸の中に残る疑念は、美味しいプリンを食べても消えなくて。 結局、恭平は美雨に告白しなかった。
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