エピローグ

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エピローグ

『坂口って北島と仲良かったよな?北島、事故に遭って入院してるらしいぞ』 高校のグループLINE。 とぼとぼと帰宅してそんなトークに気づいたのは、“美雨”が目の前から消えた夜のこと。 『もしもし、母さん。恭平だけど』 久しぶりに聞いた母の声。 『急にどうしたの?』 『あの、邦彦が事故に遭ったって聞いたんだけど、本当?』 『ええ。3週間前だったかしらね、車に轢かれて……。それからずっと意識不明だそうよ』 『見舞いに行きたいんだけど、どこに入院してるか教えてくれる?』 病院の情報を教えてくれた後、母はポツリとつけ加えた。 『ついででいいから、うちに寄っていきなさい。お父さんも会いたがってるから』 その言葉を不思議なくらい、素直に受け入れることが出来たのは何故だろう。 邦彦を見舞ったら実家に寄る約束をして、恭平は電話を切った。
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