プロローグ

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プロローグ

『キタジマさん、聞こえますか?』 聞こえてます。 そう答えようとしたけれど、全身が痛くて、口を開くのも億劫で、結局答えられない。 そうだ、今夜は雨が降っていた。 車のヘッドライトが、目の前に迫ってきたとこまでは、覚えてるんだけど。 もしかして、このまま死んじゃうんだろうか。 本当の気持ちを伝えないままで。 ……会いたい。 彼に、もう一度だけでも。 『あなたのその願い、叶えてあげましょう』 誰? 天使?それとも死神? 『雨が降る日にだけ、彼に会わせてあげます。あなたが気持ちを伝える、その瞬間まで』
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