コンビニ

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コンビニ

 まあ夢なんだから細かいツッコミは無し、疑念を止めて案内されるままにコンビニ『テルテル・ハート』に入っていった。 「「いらっしゃいませ」」 「……てるてる坊主ってとこを除けば、普通のコンビニ定員なのね」  レジに定員は誰もいないと思ったら掃除してるてるてる坊主、商品を並べるてるてる坊主、てるてる坊主ってこんなことするものなのねと私は若干ひく。 「おにぎり……おかず……お菓子に雑貨って……人間の世界とほぼ変わんないんじゃない」  「お客様、何かお困りですか」 「いえ、別に……って、うげっ」  キラリンと、おそらくはイケメンてるてる坊主っぽい奴が商品を色々みている私を見かねてか話しかけてきた。 「だ、だいじょうぶですから、ハハッ……」 「そうですか、お困りならお声かけてください」  爽やかに振り向いてカッコつけてるんだろうけど、顔はどんなにイケメンでもてるてる坊主なのよね。  そんなキョロッてる間、私のてるてる坊主……は何かを探して瓶のような物を持ってきた。 「これこれ、はい、愛依」 「なにこれ……『アシタ天気』って商品名ね」 「うん、これで明日は必ず天気になるんだ」 「へ〜、最近雨続きだからさ、便利ね」  勧められた『アシタ天気』ドリンクを持ってレジに。こんなので本当に明日は天気になればいいのにね。 「いらっしゃいませ」 「はい、これ」  レジもほとんどって言うより全く一緒。 「1ライフになります」 「はい? ねぇ、1ライフっていくらなの藍浦てるてる坊主」 「藍浦てるてる坊主って、まぁいいや、1ライフはね、寿6」 「はぁっ?」  なに言ってるの藍浦てるてる坊主、寿命って、あげられるわけ無いじゃない。でも、ここで嫌だって言ったら、ここから出さないなんて言ってきたり……どうしよう。 「じ、寿命はちょっと〜……急に言われても〜、ね〜」 「うん、そういうと思ったから今回はボクのおごりでただであげるよ」 「えっ、ありがとう……」 「試しに飲んでみてよ」  やけに優しい藍浦てるてる坊主、作ってもらった事にそうとう感謝してるみたい。それに夢の中だし飲んだところで大丈夫と根拠を並べて『テルテル・ハート』の外で頂くことにした。 「グビッ、グビッ、グビッ……プハッ、なんかオレンジジュースみたいで甘い、美味しいわ」 「そうでしょっ! じゃあ、おやすみ」 「おやすみ? あらっ……」  急に強烈な眠気が襲ってきて私は考える暇もなくその場で倒れてしまった……。 「――う〜ん……なんか、ん……てるてる坊主」  テーブルで寝ていた私の手に握られているのはてるてる坊主。 「てるてる……コンビニ……そうだっ、たしか『テルテル・ハート』とか、何か飲んで、そう、外!」  夢の内容を思い出してカーテンを開く。
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