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が、紹子が懸念していたにも
かかわらず…この翌々日、
鵜沼は良からぬ“行為”を
企ててしまった。
早朝に妻の目を盗んで
牧場へと独り来て、
くりを待ち伏せ…
(身体の小さな女だ、
厩の奥へと連れ込んで…)
御丁寧にも前日に
コッソリと厩を下見済。
明けやらぬ薄暗い牧場は
鵜沼の悪略に手を貸して
「あっ!ぐっっ!!」
くりから叫びも出る前に
身体を拐って厩奥の
盛り上げた藁上にくりを投げ、
恐怖に怯えるその口に
ハンケチを詰め込んで
手を縛った。
「“はじめて”を
ご馳走になるかな、ふっ」
恐怖に身を捩り抵抗するくりを
愉しむような卑しい笑みが
浮かんだ瞬間
「ぐえぇっ!!!」
背中に激しい一打を
鵜沼は被った。
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