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「可愛いらしい娘さんね、
お二人とも」
笑顔を向ける紹子に
恥ずかしそうに
「とんでもごさいません…」
頬を染めるくりは
(確かに…美しくなった)
つい、兼貞も頷くほど。
オマケに“手の早い”
鵜沼男爵まで
「まったくだ!
これ程の美人は
東京広しと言えども
そんなにいやしない」
下品にくりを上から下まで
舐めるように眺めた。
(ああ…いやだ…)
この男のこの点に
嫌悪していた紹子は、
「奥さまの前では
他女子を見るのは
法度でございましてよ」
ピシャリと言って
くりを奥にやった。
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