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一騒動あっての しばらくしての夜、 鵜沼夫妻が逃げるように 東京へ帰ったところで、 兼貞は晩餐へと 鈴之介と晋太郎を招待した。 fd042a7a-6636-4b29-9c92-2a502799be3e 「お招きありがとうございます」 平素から華族一、二の洒落者と 御婦人方に名高い鈴之介は この夜も勿論完璧な ドレスコードで登場したが、 兼貞と紹子が驚いたのは 晋太郎の濃い葡萄酒色の 上着に真白の絹シャツが、 鈴之介以上の気品に満ちた 出で立ちであったこと。
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