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「でしょうね、僕だって
“恋愛遊戯”の解らぬ
晋太郎とは合わないと
思ってはいたけれど、
それ以外は面白い男なんです」
なるほど鈴之介の言う節が
兼貞にはぼんやりとは
理解出来た。
(あの鵜沼に対する
喧嘩っぷりは慣れてる。
女遊びはすれども
武芸達者な鈴之介や
九郎丸にも引けは取らない
腕に違いない…)
「失礼ながら君の父上達は
君の“遊び癖”を芳しくは
思ってはいないのに…
…構わないのかい?」
「『この夏は那須で過ごせ』
と、言ったのは兄なのです」
「ほう…そりゃまた…」
「彼ね…小作争議…
小作解放運動に興味を…。
兄や父は晋太郎の
純粋な向こう意気が
命を縮めるのでは…と
心配しているのです」
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