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目覚め
『真人、晴也が目を覚ましたって!』
仕事中にも関わらず、幼馴染の亜弓が俺の携帯に連絡を寄越した。
晴也……!
無事に目を覚まして良かったと思う気持ちと、目を覚まさないままでいて欲しかったと思う気持ちが入り混じる。
……最低だな、俺。
「そうか、良かった。仕事を早めに切り上げて、帰りに病院寄るって母さんに伝えておいてくれ」
俺はそう言って亜弓との通話を切り上げた。
しかし、10分も経たないうちに今度は母親からの着信があった。
『真人!すぐに来て!晴也がおかしいの!!とにかくあなたを呼んでくれって…』
ギクっと身が強張った。
晴也が俺を呼んでいる…。
「いや、仕事中だから無理だよ」
本当は今なら無理を出来なくもない。
しかし、晴也に会うのは…正直気が引けていた。
『だって…晴也、自分は高校生だって言い張るのよ!』
は?晴也は既に立派な社会人ですが?
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