目覚め

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 晴也は俺の家、鹿川家のお抱え運転手だった男の息子だ。  家族ごと住み込みの運転手だったので、幼い頃から俺と晴也、そして祖父母の代から付き合いがある家の娘である亜弓といつも3人で遊んでいた。 「まこちゃん、まこちゃん…」と晴也はいつも俺を追いかけてきていた。  3人とも同じ歳ということもあり、幼稚園から中学校までずっと一緒だった。  俺達が中学2年の頃、晴也のご両親が事故で亡くなった。  俺の両親は、ずっとよく働いてくれた男の息子だからと言って、身寄りのない晴也を養子として引き取った。  俺に数ヶ月しか違わない弟が出来た。  晴也は俺の両親に恩を感じたのか、今まで以上に勉強に取り組み、県内イチの進学校へ入学し「将来は鹿川グループの社員になって、真人を支えます」と両親に宣言していた。  その俺は地元の進学校レベルの高校へ入学した。  俺の将来は既に鹿川グループへの就職、そして重役になる事を約束されていたので、元々成績の悪くない俺は、さほど受験勉強を真剣に取り組む事はしなかった。  むしろ亜弓がこの高校を受験すると聞いたので、ランクを下げたくらいだ。  そして俺と晴也は大学を卒業後、鹿川グループ本社に総合職として就職した。
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