1人が本棚に入れています
本棚に追加
雨露さんは恥ずかしそうに「私、雨男なんですよね。」衝撃の一言が聞こえた。
雨露さんは怪異系の雨男らしく、梅雨の時期で、なおかつ雨の時でないと出れないらしい。
前はもうすぐ梅雨が終わるからということで、私の目の前から消えたらしい。
「何も言わないなんてひどいです。」
涙が零れ落ちそうになっている私の顔を隠すために、雨露さんの胸に倒れ込んだ。雨露さんは包み込んで撫でてくれた。
「すみません。消えるとは言ってなかったですけど、1年後には帰ってくるって言ったのですが…。私と会えなくなると思って聞こえてませんでした?」
私と目が合うようにして、雨露さんはふっと微笑んだ。
今更ながら、めちゃくちゃ距離が近かった事に気づいて、落ち着くためにベンチに座り直した。
「ズルすぎ…。」
そんな言葉が漏れたようで、「可愛いですね。」と言われてしまった。
「「好きだな…。」」なんて、言えるわけないのに。
そういえば、声が重なったような。
最初のコメントを投稿しよう!