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バンド縁
「うちの坊さん、大昔バンドマンで
ドラマーだったんだって」
「へぇー奇遇。
うちの親父も、バンドマンで
ギター弾いてハモニカ吹いてたんだ」
「そうなのぉ?」
「そうなの。
バンドじゃ食っていけないから
諦めて役場に勤め始めたの」
「うちは、寺を継いだのよ。
でね、寺だけだと食っていけないので
老人ホームに務めだしたのよ」
「なんというか、随分『徳』の高い坊さんね」
「ほんとに『徳』が高いのよ。
スズメバチや、害獣駆除も出来るしね」
「あれ?坊さんて殺生禁止じゃ…」
「でも人は、食べなきゃ生きていけないでしょ?」
「そりゃそうだけれど。
矛盾してない?」
「坊さんち『槍』も『盾』も『火縄銃』も…。
他にも武具全般揃ってるわよ」
「なんというか。
本気の田舎“あるある”じゃない」
「しょうがないじゃないっ!
田舎なんだから」
都会にはない大自然の恐怖が田舎には生きてます。
2023.8.6(日)記
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