アグレシブ

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アグレシブ

「父の一周忌に間に合うように  墓を作ったのよ」 「えっ?そんなに早く出来るモノなの?」 「亡くなる前にね、お坊さんの目星つけて  それから、墓石屋を回って…。  ほら、うちの近所に全部そろってるでしょ?」 「まぁ…確かに小さな町だから、全部揃ってる」 「でしょ?  家の裏が墓だし。  母に毎日でも、墓参り出来るように。  父が好きだった音楽的なデザインを考えて、  プロのデザイナーに手直しして貰って  一気に搬入して貰ったの。  凄く忙しかったけれど、  思い通りの墓石も出来て  凄く満足してるの」 「良かったじゃない?  お母さんも喜ばれてるでしょ?」 「あれだけ仲のいい夫婦だったから  毎日でも墓参りするかと思ったら、  まぁ~たく、してないのよ。  呆れた。  でも、これで、  弟が入る場所も出来た事だし  安心した」 「昔から、全部一人でやるタイプだったけれど  変わらずアグレシブにやったのね」 「それが取り柄だから」  故郷の親は、一緒に歳を取っていきます。 それが儚く切なく、悲しく…嬉しいという。 誰もが行く道だけれど、誰かは、いてくれる(苦笑) 2023.8.6(日)記
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