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ブロンソン
「この間、恩師にね暑中お見舞いを出したの」
「いつの時代の恩師よ?」
「中学校の時のね。
そしたら珍しく直接お電話が入ってね。
『毎年、年賀状とか頂いてるのに、
お返事かけなくて御免なさい。
もうね、歳だから色々疲れちゃっててね。
電話だと、気軽だし、聞きたいことも聞けるし』
なんて凄く饒舌だったの」
「コロナ禍で、会えない時間が長かったものね」
「そうなの。
でね、驚いたのが、
中学時代“ブロンソン”って、あだ名の数学の先生がね、
今現在は、美術をカルチャーセンターで教えてるって…」
「ん?なんで数学教師なのに美術なの?」
「いや、私もわからないけれど、
中学の時、漫画クラブがあって、
その時の顧問が、ブロンソンだったから
『昔から画才があったんだな』
って、思い出して」
「へーー、ハリウッドの男優似なんだ」
「うん、でも多分、恩師の方がかっこいい」
「マジで?」
「ほんと、マジで。
声は甘くてクールなハスキーボイス。
ひとみは鳶色で天パー。
女子生徒にモテまくりだったのよ。
傍にきて、指導されると“孕む”という」
「そんな先生もいたのね」
「なぜかしら、うちの中学校時代の先生は、
ハンサム美人が多くて、みな不思議がってたなぁ。
また会いたいな」
「会えるわよ。
まだ地元にみえるんでしょ?」
「そそそ…。
でも、いつでも会えると思ってるうちに
時が過ぎて会えなくなっちゃうんだよね」
「じゃ、貴女が同窓会の幹事しないとね」
「やっぱそうなるか」
「そうよ、誰かが動かないとね。
他人任せじゃダメなのよ」
※誰かがやらないと永遠に終了してしまうのは恐怖です。
2023.8.8(火)
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