ある町会の会合で

1/1
前へ
/7ページ
次へ

ある町会の会合で

2060年全国的に雨が全く降らない日が続いていた。朝のニュースはその話で持ちきりだ。 ダムの水も底を尽きてきた。  水不足で水が手に入らず家に置いてある防災の為の水さえも泥棒に入られ盗まれるという事件が起きていた。  電気も時間制限がかかってしまった。  水が思うように飲めないからなのか?電力会社は交代制で少人数で働いているらしい。  私の会社も三日に一度の通勤になった。このままでは世界のすべての人間がいなくなってしまう。  私は仏壇に手を合わせていた。そんな時、自宅に自治会の会合があると知らせが来た。  その会合はいつもとは違う会合で、雨不足についての話し合いとの事だった。  話し合いをいくらしても、町会で雨を降らせることなんかできない。  昔ながらの儀式をしても一向に降らないのに どうやって降らせるつもりなのか?  その会合の席で私は不思議なサイトを会長から見せられた。  私はそのサイトを見て驚いたが 私以外の会合に出席した人はその存在を知っているみたいだった。 私はそのサイトの事がとても気になった。  雨を降らせる事が出来る。 都市伝説のサイト。。。  長野の山奥、地図にも載っていない。 そこの土の下には地底人が住んでいる。  地底人の姿を見たという目撃情報が後をたたない。  航空写真にその姿が映ったらしい。 地底人に会えるかどうかわからない。  でも、地底人は雨を降らせる事が出来るとサイトには書いてある。  地底人は雨を土の下に溜めている。   地底人に今こそ頼らなければ、人類は滅亡してしまう。  そう書いてあった。 私は町会の会合でみんなに話した。  「地底人の噂が本当かどうかわかりませんが、新聞記者の魂に火がついたのは本当です。町会の代表として噂がある地底人が住む村に行ってきます。そして雨を降らせるにはどうしたらいいか必ず聞いて来ます」 私はそう言った。もう後戻りはできない。 地底人なんているはずがない。  それでもたった1%でも可能性があるなら、僕は妻と子供を救いたい。  戸田清は町会で地底人に会いに行く代表に立候補した。  僕の他に立候補したのは近所の相澤伸夫さんだった。相澤さんも自分の妻と娘を守りたいと言っていた。  僕達は明日。妻と娘を助ける為、道なき道を行く覚悟を戸田と相澤はしたのだ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加