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俺のかわいい恋人(陽斗視点)
その日も俺は花に水をやろうと俺の聖域である花壇に向かっていた。
今は色々な色のチューリップとパンジーがかわいい花を咲かせている。
誰かいる。
少し離れた場所から様子を伺う。
あいつ、花たちに何かしたらぶん殴ってやる。
おもむろにスマホを取り出した男はパシャパシャと写真を撮り始めた。
キョロキョロと辺りを見回し始めたからみつからないように隠れた。
また撮り始めて、満足したのか去っていった。
俺の花たちを撮ってくれた。
誰も見てくれない花たちに気づいてくれるやつがいた。
嬉しかった。
にしても、すごいインパクトあるやつだったな。
どうしてあんなに前髪を伸ばしているんだろう。
気になる奴。
それがあおの第一印象だった。
昔から見た目のおかげで女に不自由したことはない。
適当に付き合ってセックスして別れるを繰り返す。
だが、俺には誰にも言えない秘密がある。
男に抱かれたいのだ。
抱くのではなく抱かれる。
それもかわいい男に。
きっかけはおかずを探しているときに偶然見たゲイビだった。
男同士ってどうやるんだ?
アナルに挿れんの?
へぇー……。
ただの興味本位だった。
自分もやってみたらどんな感じなんだろう。
ローションあったはず。
指に纏わせて挿れてみる。
よく分からない。
とりあえず続けてみる。
にしてもこの挿れてるやつめちゃくちゃかわいいな。
ムクムクと勃ちあがるのを感じる。
片手でアナルをもう片方の手で固くなったものを扱く。
ヤバい、気持ちいい。
手の動きを止めらなれない。
一気に絶頂に達して吐精する。
その日から俺は後ろの開発に勤しむようになった。
ディルドまで購入してしまった。
研究を重ねてついにアナルでイケるようになった。
抱かれるならかわいい男がいい。
本物のチンコ欲しいなー。
あの前髪モサ男は1年だということが分かった。
ゴミを拾ったり、率先して後片付けをしている姿を何度か目撃した。
誰も見てないのにすごいやつ。
モサ男を探すことが日課になりつつある。
またあの男といる。
あいつしか友達がいないんだろうか。
何かイライラする。
そして、運命の日は訪れた。
勢いよく誰かとぶつかった。
「おい、どこ見て歩いてんだよ
このやろ……」
モサ男!?
モサ男が目の前にいる。
本物だ。
芸能人に会えたみたいなそんな気分だった。
何やら探しものをしているようだ。
辺りを見回すと眼鏡が落ちている。
探しものはこれかと言って目の前に差し出す。
いたずら心が働いてその手を引っ込めた。
その瞬間体制を崩して倒れ込んでしまった。
あっ、ヤバい。
顔を上げたモサ男と目が合う。
誰!?!?
モサ男がとんでもなくかわいいやつに変わった。
「うわ、かわいい」
めちゃくちゃ好みの顔だった。
こいつしかいない。
そして言った。
「俺を抱いてくれないか?」と
それから色々あって、今は奇跡的に付き合っている。
過去の自分を振り返ったら頭のおかしいやつだと思うから、本当に奇跡だと思う。
普段のあおは人前で付き合ってるような素振りを見せないし、あっくんではなく先輩という呼び方を徹底している。
でも最近は俺が女に絡まれているのを見ると露骨に嫌そうな顔をする。
その顔がたまらなくかわいいし、たぶん今度会った時すげー激しく抱かれるんだろうなと想像してひとり悶える。
受験勉強の合間にこっそり撮ったあおとの動画を見るのがほぼ毎日の日課になっている。
あおは体もきれいで、少し前まで童貞だったとは思えない程エロいから見ていて飽きない。
腰の動きがエロすぎる。
いつも横からだけど、後ろからのもほしいなーとか、あおが感じてる顔が見れるアングルのが欲しいなーとか欲望は尽きない。
今度撮らせてくれって言ってみようかな。
どんな反応をするだろうか。
こんな事今まで考えた事がなかった。
あおに出会ってから、自分がどんどんおかしくなっているような気がする。
久しぶりにあおが泊まりに来た。
お腹が空いたというあおのためにご飯を作って一緒に食べる。
幸せだ。
食べ終わった食器を流しに持っていって、少しだけ水洗いしている時だった。
「あっくん、あとで僕がやるからあっち行こう」
あおが後ろからハグしながら言う。
「もう終わるから待って
したくなった?」
「うん、したくなった」
かわいい。
素直にしたいと誘ってくるんだもんなー。
あおの手が俺の股間を弄り始めた。
触り方が絶妙にエロい。
「あお、もう終わるから」
「うーん」
どんどんエスカレートして、パンツに手を入れて直接触り始めた。
全くどこで覚えてくるんだろう?
「あお、ここですんの?」
「ここで!?」
いや、あおがそう仕向けたんだろ
なんでそんな驚くんだよ。
「立ったまましてもいいよ?」
水を止めて、ズボンを下ろす。
「はい、あおの好きにしていいよ」
「ローションとかゴムあっちにある」
「いいよ、そのままで」
「だめだよ
そのまましたらあっくんお腹壊しちゃうかもしれないし、それにローションないと痛いかもしれないでしょ?
ダメダメ、絶対にダメ」
「あおは優しいね」
「普通でしょ?
あっくん傷つけたくないもん」
こういうとこほんと好き。
「じゃあ、向こう行くか」
「うん」
笑って頷くあおにキスをして、ベッドになだれ込んだ後は、優しくあおに愛された。
俺の心を捕らえて離さない、かわいい恋人。
一緒にシャワーを浴びて寝転んでいると、あおが微睡み始めた。
「あお、おやすみ」
「ん、おやすみ……」
眠ったことを確認してスマホを取り出す。
何枚もあおの寝顔を撮る。
かわいい、永遠に見ていられる。
そうだ、あおの薬指のサイズを確認しようと思っていたんだった。
重いかもしれないと思いつつ、あおに誰も手出しできないようにしたいという思いが強すぎて今度あおに指輪を渡そうと計画している。
あおはうまく隠せてると思ってるけど、前髪から覗く瞳にやられている女は結構多い。
この顔で性格もいいから、できるだけ誰とも関わってほしくないと思ってしまう。
あおの寝顔を見ていたら眠くなってきた。
起こさないようにそっと抱きしめて目を閉じた。
目覚めて最初に見るのがかわいいあおって最高の朝すぎる。
こんなにも好きだなんて、あおは知らないんだろうな。
あおがゆっくりと目を開けた。
「おはよ、あお」
「おはよ、あっくん」
ニッコリ笑うあおにまた撃ち抜かれる。
あおがモゾモゾと動いて俺にピッタリくっついてきた。
「あっくん温かい」
「もうちょっと寝てていいよ?」
「ううん、もう起きる
あっくんと過ごす時間が短くなっちゃうもん」
はぁー、かわいい。
「朝ごはん食べる?」
「食べる」
「用意するから待ってて」
額に口付けて、ベッドから抜け出す。
「手伝うよ」
あおも一緒に来てくれた。
こんなふうに幸せを感じる朝をできればたくさん過ごしたい。
大事にしよう、ずっと隣にいられるように。
「「いただきます」」
一緒に住めたらこんな風に毎日過ごせるんだろうか。
そんな幸せな妄想をしながら、あおと過ごす1日が始まった。
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