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バックミラーがやけに眩しくて気になった。チラッと確認したけど、なにやらいかつそうな車。追いつかれた時から、気になってチラチラ見ていた。あれは、シボレー カマロだ。俊輔が車好きだから知っている。
ハンドルを握る手がじわりと汗をかいている。またパッシングされた。
安全運転しているから、私が遅いのかな。きっと邪魔なんだ。よけてほしいんだ。
でもここは片側一車線。路肩も狭く、よけるにもよけられない。コンビニかどこかに入ろうにも店はない。
プップッ。軽く二回鳴らされた。怖い。悪いことばかり考えてしまう。これは完全に煽られてる!
視線がおどる。脈は早く打つ。またクラクション。怖い、怖い怖い!
車を停めて先に行かせてしまいたい。でも対向車が来ている。私が路肩に寄せて停まっても追い越せず、きっと火に油だ。
ニュースで見たことある。煽った運転手が降りてきて、車を蹴ったり、運転手に暴行したり。そんなことだけは絶対に避けたい。
赤信号だ。車停まっちゃう。絶対に降りてこないでよ、カマロ!
クラクションがまた二回。この状況で私にどうしろって言うの。赤だから停まってるだけ。私は何も悪くない。
無視だ、無視! 鍵だけはかけておこう。絶対にドアは開けない!
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