恐怖のドライブ

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 赤信号がこんなにも長く感じるなんて。何度クラクション鳴らされたかな。お願いだから絶対に降りてこないで!  フロントガラスの向こうには、夕暮れ時のカラスがのんきに飛んでいる。こんなに待ち望んだ青信号は、二十三年の人生で初めてだ。あぁ……信号機のライトがエメラルドのように輝いて見えます。  早く、早くこの場を去りたい。でもカマロが追いかけてくる。  焦って自分が事故ってしまったら元も子もない。そういえばもうすぐ片側二車線になる。そこでカマロが私を追い抜くだろう。どうかそれまでカマロさま冷静であれ。  パッシングもクラクションも、ずっと続いている。しつこいよ、カマロ!  やっと片側二車線に……。これでやっとカマロの呪縛から解き放たれる……。私の目元は嬉し涙で潤む。  そして、左側の車線を走る私の横をカマロが通り過ぎ……ない!?  怖くて右側は見られない。でもカマロの圧を感じる。完全に私たちは並走している。なんでよ〜!  チラッと見たら、隣で左側の窓が開いている。運転手らしき人が何やら叫んでいる。    イヤーー! 怖いからーー!  窓は閉め切っているので、何を言ってるのかは分からない。でも何か言ってるんだろうということは分かる。だから怖い。どうしてこんなことに……。
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