1人が本棚に入れています
本棚に追加
第3話 チョウピラコ
双子の妖怪であるユイとヒナは、本当にソックリである。
見分ける方法は、アホ毛の有無と口調だ。
妹のヒナにはアホ毛がない。
語尾が「~ですの」、いわゆるデスノートちゃんだ。
ユイとヒナは、ハブラシやタオルなど生活に必要な品々を置き始めた。
2人の着物の袖から、あらゆるものが出てくる。
「わたしか妹をこの家に置いてください」
この家に住む前提で話をすすめる妖怪の姉妹。
「座敷わらしなら大歓迎だが、ふたつ条件がある。俺のことはお兄様。あるいは、おにいちゃんと呼ぶこと。もうひとつは、家の中では靴を脱ぐこと」
「土鍋を貸してくださいですの。私たちの寝床にしますの」
キミらは大きめの猫なのかな?
彼女たちの身長は120センチほどだ。
小ぶりな土鍋に収まるとは思えない。
どうでもいいが、ホントに人の話を聞かないんだね、キミたち……。
ユイとヒナは、直径20センチほどの土鍋にピタリと収まった。
妖術で体を小さくできるとのことだ。
丸くなって鍋に収まる2人の姿が可愛すぎる。
天使か!
是非、この家に住んでください!
思わず、心中で叫んでしまった。
最初のコメントを投稿しよう!