第4話 あやかしの姉妹

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 座敷わらしが去ってからというもの、何をやってもうまくいかない。  生活はギリギリなんとかなっている。  だが、体調がすこぶる悪い。よく眠れなくなったせいだろう。  以前はどんなに疲れていても、泥のように眠ることができたのに、今では夜中になると必ずと言っていいほど目を覚ましてしまう。  睡眠不足のせいで疲労が溜まっていく一方だった。  堪えられない寂しさに襲われ、自殺を図ろうとしたが、なぜか失敗。  ユイとヒナに会えるかと思い、無理して高級テレビを購入してみた。  だが、何をどうしても会えない。  憑りつかれたように、座敷わらしを探し回る日々が続いていた。  疲労が極限を迎えたおかげか、今日はなんとか眠りについた。  だが、すぐに電話の音で起こされてしまう。  なんだか胸騒ぎがする……。  気が進まないが、受話器を取る。  病院からだ。  数日前、父親が倒れたらしい。  今日になって、容体が急変したようだ。  いま思えば、父は俺に何かを伝えたくて、滅多にしない電話をよこしてきたのかもしれない。                  卍  病室では、医師と看護師が神妙な面持ちで立っていた。  今夜が峠だと医師から告げられた。  時間をもらい、父と2人だけにしてもらう。  力ない父の手を握りながら、最後になりそうな会話を交わす。  心電図モニターに表示された脈拍の数値が0になり、もうダメかと思った時だ。  夢か(うつつ)か幻か。  ユイとヒナの姿がボンヤリと見えた……ような気がする。  2人の座敷わらしが、父の冷たくなりつつある手を握る。停止したはずの父の心臓が鼓動を始めた。  一言も発することなく、ユイとヒナはそのまま消えてしまった。  以来、彼女らの姿を見ていない……。
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