第1話 あやかし

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 車庫に佇む俺の愛車の前に立つユイ。  ボンネットの上に飛び乗った。  勢いをつけて、2度、3度とジャンプする。  いいから靴を脱げ! 「この黄色い車は、マズダRX―7(FD3S)ですか?」  大正解だ。車が好きなのだろうか。ユイの目の輝きが増す。  ユイは妖術らしきワザを使い、ドアを開く。光の速さで助手席に体を沈めた。 「これは、ロリータ・エンジンですか?」  惜しい。エンジンだ。  幼女を助手席に搭載しているため、あながち間違いではないと思う。   「やけのはら号、発疹(ほっしん)!」  ユイぱっちんが、人差し指を前方にむける。  宇宙戦艦が飛び立ちそうな勢いだ。  ユイに言われるがまま、やけのはら号(愛車)を走らせた。
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