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完成した建物は、お菓子の家というより、おかしな家だった。
すべて和菓子で出来ているのは、どうなのだろうか。
瓦の代わりに煎餅を用いているところが憎らしい。
こしあん・小倉あんが壁に塗られているせいか、甘ったるい香りがする。
表札があったと思しき場所には、『焼野原』と記された扇子が刺さっている。
センス良いね! と、俺に言わせたいのだろう。
だが、断る!
外見がファンタジーな家は、内部も幻想的だった。
和室でどぎつい光をぶっ放すミラーボールが、オシャレさを演出。
食べたら1人増えそうなキノコが、いたるところに生えている。
床がザラついているのは胞子のせいだろうか。
得体の知れないキノコを齧っているヒナの笑顔は、輝きに満ちている。
大丈夫なのか、それ?
魔王が座りそうな玉座の近くに、乾燥した何かが落ちている。
着物を纏ったシイタケだろうか。
床にダイイング・メッセージが残されていた。
字数は短編小説くらいありそうだ。
タイトルは、『ダイビング・メッセージ』。
長すぎて本文を読む気にならない。
全部ひらがなだし。
なんか、面倒くさい。
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