第2話 妖術

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「この乾いて粉を吹いた物体は何?」 「妖力を使い果たしたお姉さまですの」  勝手に淹れた緑茶をすするヒナ。慌てることなく、カサカサ状態のユイ()を、楊枝の尖った側でつつく。  ユイはピクリともしない。だんだん心配になってくる。 「乾いた妖怪(ユイ)は、もとに戻るのか?」 「まわりの湿気をすべて吸って、24時間で復活しますの」  夏は吸湿材として活躍しそうだ。 「もっと早くならないか? なんだかユイが可哀そうだ」 「復活の儀を執り行いますの。お鍋でジックリ・コトコト煮込めば、30分で復活しますの」  妖怪のいい出汁(ダシ)がとれそうだ。   「はじめちょろちょろ中ぱっぱ。妖怪が飛び出してもフタ取るな、ですの」  言いながら、ヒナは儀式とやらの準備をはじめた。  ヒナのやろうとしていることは、セレモニーというより罰ゲームに近い気がする。 「3分で復活できる方法がありますの」  ヒナが乾燥した妖怪()をレンジに入れようとしている。  だが、ヒナの表情は、いまひとつ冴えない。 「レンジでチンすると、姉はもれなく死にますの……」  やめてあげて……。
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