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「ライフ・イズ・キューティクル!」
復活を遂げたユイの髪はツヤツヤだった。
茹ですぎたせいか、ユイの顔面がパンパンに膨らんでいる。
あだ名をつけるとしたら、間違いなくユイパンマンになるだろう。
面白いから本人には黙っておこう。
妹のヒナが、のたうち回って笑うくらいだ。
「ナンバーワンよりサーティーワン!」
お風呂あがりのユイが、俺の大事なアイスクリームを食している。
なんの断りもなしに家を大改築されている。
アイスを強奪されたくらい、どうということもない。
だが、譲れないことが、ひとつある――。
2人とも靴を脱げ!
アイスとスプーンを食べ終わると、ユイは全開の笑顔で口を開いた。
「あたいたちは、最高ランクの座敷わらし。この家にきた理由をコント形式で説明します。超大作なので3時間以上かかります。普通に説明すると1分で終わりますけどねっ!」
なんだか、主語がおかしい。
本調子ではないのか?
「先日助けてもらった手の小指です! のくだりからやり直してもいいですか?」
「巻き戻しすぎだ。やっぱり普通の説明で頼む……」
玄関に向かおうとするユイのアホ毛をつかんで引きずり戻した。
「指紋の精霊……。いえ、妖怪、指ぱっちん……」
ユイは、キャラが定まっていないらしい。
真っ赤に染めた顔を両手で覆い隠した。
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