第四章 決断?

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「え?あーパスポートに?ホテルの住所メモってるんですね?」 「あ、違います。これしか、持ってなくて…。」 「はい?携帯は?」 「連絡来るのが、嫌で…えへへっ。」 目の前で無邪気に笑う彼をナマで見られるとは、思ってなかった。 うちに連れて帰ったら…お母さん驚いて喜ぶかもな。 不意にそう思った私は、 「…うちと言っても、私の実家ですが行きますか?」 「はい。」 即答されるとは思ってもなくて、自分で言っておきながら驚きを隠せなかった。 「お願いします。あ、こんな僕で、失望しましたか?」 「え?いいえ。」 「よかった。」 彼の誰もを虜にする、 その笑顔に私は…。 一人…独り、 ここへ来た理由を忘れることにした。
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