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「あ、車あれだね。」
砂浜をようやく歩き終わり、駐車場に着いたところだった。
「…僕が運転するよ。」
タクシーで来てよかったと、内心思いながら彼女が降りたその車まで歩いていた。
「え?どうして?あれって?」
彼女の車は、淡いピンク色だった。
駐車場には、その他にも数台停まっていた。
彼女の危なっかしい姿が、確信持てなかったのも車の数と人通りがあったからだったが…。
「え?」
彼女は駐車場を見渡し、俺との出逢いに何かの番組だろ!そう言った時の疑いの顔でまた俺を睨みつけていた。
「あの!」
なんて言っていいのやら…そう見えたから声をかけたんだとは、絶対言いたくない。
「うん?」
とびっきりの笑顔で、誤魔化そうにも彼女は顔色ひとつ変えず、俺を見ていた。
困った…。
名前を知ってる言っていったのも…かなり警戒されたし、うーん。
俺と彼女の間に、変な間があって…互いに顔色を伺っていた。
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