第五章 彼女。

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「あれ!ゴリゴリのいかつい車だったかもしれませんよ!」 彼女は急に、声を上げると…数メートル離れたところに停まっていた車を指差していた。 彼女が言うゴリゴリの…。 「うん?ゴリゴリ?えっ?」 俺もその車を指差し、彼女に尋ね返すと彼女は照れくさそうに可愛らしく笑っていた。 そんな可愛らしい彼女に…俺はすぐに笑顔になっていた。 「あ!もう、いいです!伝わらないのなら…ペラペラだから忘れちゃって。」 「フッ…優子が韓国語がいいなら、韓国語で話す?」 「さん!で…オネガイシマス。」 「え?呼び捨て嫌い?」 俺は運転席の扉を開けようとする彼女の手をつかんだ。 「あ!もう…勘違いするから、お触りもなし!」 「フッ、俺は構わないのに。」 あ。 ちょっと…お馬鹿な感じで接しようと思っていたのに。 「おっ…オレとか、も!禁止。」 彼女は真っ赤な顔をしていた。 よかった。 とにかく、うん。彼女を見つけられてよかった。 突然現れたオレに動揺する姿が可愛かった。
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