第六章 オレ。

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「フッ、分かりやすい人だな。」 俺の一言一言に、彼女は色んな表情を魅せてくれる。 ーかわいい。 「な!当選したとでも思えば優子は、緊張せずこの時間楽しめるだろ?」 俺の提案に彼女はキョトンとした表情をしていた。 「当選?なんの?え?」 「フッ、」 「なんで笑ってるんですか!」 「優子さ…優子がカワイイから。」 「はあ、イケメンはめんどくさいな。」 「め?めんどくさい?」 「はい。」 即答だった。 「フッ。」 いつ以来だろうか? こんなに楽しいと思えたのは…。 「なんで笑ってるんですか?あ!さっきの答えはもういらないから!」 怒鳴っていた彼女だったが、顔は真っ赤だった。 「うん?何度でも言うけど?あ、韓国語バージョンがほしかった?言い直そうか?」 「いいから…せっかくの嬉しかった言葉が演出に思えてくるから。」 「演出?」 まだ、疑われているんだな。 「そう!ふう、フッ。」 彼女は遠くを見つめ大きく息を吐き捨てると、無表情で俺を凝視していた。 「ホテルの名前…言ってください。」 彼女の言われ、俺はすぐに目をそらした。 頑固だな…。 「あー、やっぱり私がしっかり宣言しないとホテルには帰れませんか?」 「うん?」 宣言?なんだろう? 「…私が、はあー。降参です。私は、死のうとしたしませんから。」
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