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「フッ、分かりやすい人だな。」
俺の一言一言に、彼女は色んな表情を魅せてくれる。
ーかわいい。
「な!当選したとでも思えば優子は、緊張せずこの時間楽しめるだろ?」
俺の提案に彼女はキョトンとした表情をしていた。
「当選?なんの?え?」
「フッ、」
「なんで笑ってるんですか!」
「優子さ…優子がカワイイから。」
「はあ、イケメンはめんどくさいな。」
「め?めんどくさい?」
「はい。」
即答だった。
「フッ。」
いつ以来だろうか?
こんなに楽しいと思えたのは…。
「なんで笑ってるんですか?あ!さっきの答えはもういらないから!」
怒鳴っていた彼女だったが、顔は真っ赤だった。
「うん?何度でも言うけど?あ、韓国語バージョンがほしかった?言い直そうか?」
「いいから…せっかくの嬉しかった言葉が演出に思えてくるから。」
「演出?」
まだ、疑われているんだな。
「そう!ふう、フッ。」
彼女は遠くを見つめ大きく息を吐き捨てると、無表情で俺を凝視していた。
「ホテルの名前…言ってください。」
彼女の言われ、俺はすぐに目をそらした。
頑固だな…。
「あー、やっぱり私がしっかり宣言しないとホテルには帰れませんか?」
「うん?」
宣言?なんだろう?
「…私が、はあー。降参です。私は、死のうとしたしませんから。」
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