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「うん?あー優子…さん。」
「はい。」
彼に名前を呼んでもらったものの…
私は。
「なんていう番組ですか?」
こういうふうにしか、考えられない。
「番組?え?」
急に彼は可愛くおちゃらけていた、
ますます怪しい。
「えーこの状況絶対番組ですよね?」
「違います。」
違う?
は?
じゃなに?
お茶らけていたにもかかわらず、彼は即答すると…また、優しく私を包み込む笑顔を見せてくれて辺りを見渡した。
「こっち。」
彼は少し呆れ顔で、私の腕を掴み歩き出した。
不安定な砂浜に何度か足を取られ転びそうになると、彼は歩くスピードを落としてくれた。
「ここに座ろう。」
よくあるテレビや映画で見かける光景…のように目の前に流木が落ちていて、
そこに彼は着ていた高そうなジャケットを脱いで広げると、私に座るように話した。
「イ・ハンさんが…あっ!くぅ。」
彼のペースに飲み込まれてる!
「フッ、一緒に座ろう。」
そういうと、彼は広げたジャケットの上に何のためらいもなく腰をおろし、私の腕を掴むと引き寄せられてそのまま私は座ることになった。
「た、高そうな上着…はあ、しわになっちゃう。」
「かまわないよ。」
ほんと、日本語ペラペラだな。
隣に座っている韓国と日本やありとあらゆる場所で人気の俳優である彼…
イ・ハンを見つめた。
きっと、私の知らない番組なんだ。
彼を好きなファンの中から…私が選ばれたんだ、すごいな私。
あれ?
私、彼のファンクラブ入ってたっけ?
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